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歯周病

2026-08-30

歯茎が腫れて痛い…夜中でも今夜乗り越えるための原因別対処法

歯茎が腫れて痛い…夜中でも今夜乗り越えるための原因別対処法|段原エール歯科・矯正歯科のブログ記事アイキャッチ

夜中に突然、歯茎が腫れて痛み始めた——そんな経験をお持ちの方は少なくないはずです。「歯医者は明日の朝にならないと開かない」「でも痛くて眠れない」という状況は、誰にとっても焦るものです。

この記事では、歯茎が腫れて痛む主な原因と、それぞれの見分け方、今夜をやり過ごすための応急処置と避けるべきNG行動、そして翌日を待たずに受診すべき危険なサインを、広島市南区・段原で診療する歯科医師の立場からわかりやすく解説します。

まず大切なお伝えをひとつ。歯茎の腫れと痛みは、自然に消えることがあっても、原因が解消されたわけではありません。放置すると症状が悪化したり、歯を失うリスクが高まったりします。今夜の応急処置はあくまでも「翌日の受診までの橋渡し」と考えてください。

歯茎が突然腫れて痛い——よくある4つの原因と見分け方

歯茎が腫れる理由は一つではありません。症状がどこに出ているか、どんな痛み方をするかによって、おおよその原因が絞られます。以下の4つが特に頻度の高い原因です。

① 歯周病(歯肉炎・歯周炎)の急性増悪

歯周病の初期の段階では、炎症が歯と歯ぐき(歯肉)に限局し、歯と歯ぐきの境目が赤く腫れたり、触れると出血したりします。これが「歯肉炎」の状態です。さらに進行すると「歯周炎」となり、歯肉炎がさらに進行すると、歯と歯ぐきの境目の部分が壊れて隙間が深くなり歯周ポケットを形成します。歯ぐきの炎症が急激に生じると、急性症状として高度な腫れや強い痛みを伴うことがあります。

疲れがたまった日や体調が優れないとき、あるいは歯磨きが数日おろそかになったタイミングで急に腫れや痛みが悪化するのがこのパターンです。複数の歯の周囲に広がる腫れ、歯茎の赤みや出血、口臭などが重なって現れる場合は、歯周病の急性増悪を疑ってください。

厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査」によると、4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合は全体で47.9%で、高齢になるにつれ増加傾向にあると報告されており、歯周病は決してめずらしい疾患ではありません。また、歯科疾患実態調査では、「歯ぐきが痛い、はれている、出血がある」という自覚症状を有する人は65歳未満の成人で概ね15%前後に上ることが示されています。[1]

② 根尖性歯周炎(根の先の膿)——むし歯が深く進行したケース

むし歯(う蝕)を放置すると、歯の神経(歯髄)へ細菌が到達し、さらに歯根の先端(根尖)の外側の組織にまで炎症が広がります。これが根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)です。

歯周病は基本的にはプラークが歯ぐきに炎症を引き起こし慢性的に進行する病気ですが、根尖性歯周炎はむし歯が主な入口となる点で異なります。特定の1本の歯の根元の歯茎だけがぷっくり腫れる、その歯を噛み合わせると強く痛む、温かい飲み物で痛みが強まる——こうした症状が重なるときは根尖性歯周炎を疑います。

当院では、歯科用CT(モリタ ベラビュー800プラス)を用いて歯根周囲の骨の状態を三次元的に確認し、どの歯のどの部位に炎症が起きているかを正確に診断しています。マイクロスコープを使いながら行う根管治療(歯の根の治療)で、感染した歯髄や細菌を丁寧に除去することが、根尖性歯周炎の根本的な対処法です。

③ 智歯周囲炎——親知らずまわりの炎症

親知らずは歯肉に部分的に被ったままになることにより不潔になりやすく、歯肉の炎症を起こしやすい状態となってしまいます。これを智歯周囲炎(ちししゅういえん)と呼び、20歳前後の人に発生する頻度の高い疾患です。智歯周囲炎が周囲の軟組織や顎骨に広がると顔が腫れたり、口が開きにくくなったりすることがあります。[2]

奥歯の一番後ろ側(下顎や上顎の一番奥)の歯茎が腫れ、口が開きにくくなったり飲み込むときに痛んだりする場合は、親知らずの炎症が疑われます。特に横向きに埋まっている親知らずは清掃が難しく、繰り返し炎症を起こしやすいため注意が必要です。

④ 歯根破折・外傷によるもの

歯ぎしりや食いしばり、硬い食べ物での衝撃などで歯の根が割れた場合(歯根破折)も、特定の歯の歯茎が腫れる原因となります。歯が欠けて神経(歯髄)まで達するような重度の場合は、炎症が起きて強い痛みや歯肉の腫れなどを引き起こすことが多いので、早めの処置が必要です。また、転倒や運動中の衝突など、顔への外傷後に歯茎が腫れてきた場合も同様です。こうしたケースはレントゲンやCTで歯根の状態を確認しなければ、正確な診断ができません。

今夜だけ乗り越えたい!応急処置としてやっていいこと・ダメなこと

歯科医院が閉まっている夜中に「少しでも楽になりたい」と思うのは自然なことです。ただし、やり方を間違えると症状がかえって悪化します。正しい知識で今夜を乗り越えましょう。

やってもよいこと

【市販の鎮痛剤を適切に服用する】

歯肉が腫れたりする原因は細菌によることが多く、症状に応じて、抗菌薬、痛み止め、時にうがい薬などが用いられます。市販の消炎鎮痛薬(イブプロフェンやアセトアミノフェンを成分とするもの)を、用法・用量を守って服用することは一つの選択肢です。ただし、消炎鎮痛薬は痛みを弱くする作用がありますが、飲めば痛みが完全に消えるわけではありません。量を飲みすぎると副作用が増加してくる薬剤ですので、歯科医師・薬剤師の指示をしっかりと守って飲み、むやみに多く飲まないことが大切です。[2]

【口の中をやさしくゆすぐ】

ぬるめの水、または市販のうがい薬で口の中の細菌や食べかすを洗い流すことは、炎症部位の清潔を保つために有効です。ただし、強くゆすいで患部を刺激するのは避けてください。

【患部を冷やす(外側から)】

頬の外側から濡れタオルや冷却シートで緩やかに冷やすことで、炎症に伴う痛みを和らげる効果が期待できます。「冷やしすぎない」のがポイントです。

【歯ブラシで患部周辺をやさしくケアする】

痛みが強くても、腫れている部位の周囲の歯を柔らかめの歯ブラシで丁寧にブラッシングし、プラーク(歯垢)を除去することは大切です。プラークが残れば細菌がさらに増殖し、炎症が悪化します。患部を直接強く刺激するのは禁物ですが、歯と歯茎の境目の汚れを取り除くことは今夜できる大切なケアです。

やってはいけないこと(NGリスト)

❌ 患部をぐりぐりと押したり、針で膿を出そうとする

膿がたまっていると感じると「出してしまいたい」と思う方も多いのですが、自己流で患部を刺激すると、感染が周囲に広がるリスクがあります。排膿処置は必ず歯科医師が行う必要があります。

❌ 患部を温める・入浴で体を温める

炎症部位は「温めると悪化する」のが原則です。入浴・サウナ・飲酒・激しい運動はいずれも血行を促進し、炎症や痛みが増強することがあります。今夜は湯船への長時間の入浴は控えてください。

❌ 市販の抗菌薬を自己判断で服用する

「化膿しているから抗生物質を飲めばいい」という考えは危険です。どの細菌に対してどの抗菌薬が有効かは、歯科医師による診察が前提です。抗菌薬の中途半端な飲み方は耐性菌を作りやすくするとも言われていますので、飲み忘れしないように最後までしっかりと飲むことが大切です。市販で入手できる抗菌薬は限られており、自己判断での服用は推奨されません。

❌ 市販の「歯痛薬」を患部に直接塗る

市販のフェノール系の歯痛薬を歯茎に直接塗布すると、粘膜にダメージを与えることがあります。また一時的に感覚が鈍っても、原因が除去されるわけではありません。

❌ 「少し楽になった」からと放置する

炎症がいったん落ち着いているように見えても、原因がなくなったわけではありません。免疫力が低下したタイミングで再び急性症状が現れ、前回より重症化するケースは少なくありません。翌朝には必ず歯科医院を受診してください。

当院(段原エール歯科・矯正歯科)では、初診時に個室のカウンセリングルームでじっくりと症状をお聞きしたうえで、原因に応じた治療方針をご説明しています。「夜中に腫れ始め、翌朝何とか来院できた」という患者さんにも、できる限り丁寧に対応します。

こんな症状は今すぐ受診を——見逃してはいけない緊急サイン

「歯茎が腫れて痛い」の中には、夜間救急や翌日の早急な受診が必要なケースが含まれます。以下のサインに心当たりがある場合は、「朝まで待つ」ではなく、より迅速な対応をご検討ください。

顔や首の腫れ・発熱・口が開かない

智歯周囲炎が周囲の軟組織や顎骨に広がると顔が腫れたり、口が開きにくくなったりすることがあります。こうした状態に加えて38℃以上の発熱や飲み込む際の強い痛み(嚥下痛)が重なる場合は、炎症が顎の深部や首周囲の組織にまで広がっている可能性があり、入院管理が必要な「顎骨骨髄炎」「口腔底蜂窩織炎(口底蜂窩織炎)」などに進展しているリスクがあります。特に発熱を伴う場合は、夜間救急の受診をためらわないでください。

2週間以上治らない腫れやただれ

歯茎の一部が白くただれている、ぶよぶよとした硬いしこりがある、出血しやすい、という状態が2週間以上続いている場合は、粘膜よりも深部に腫れの原因がある場合は、粘膜自体は正常に見えることがあるため、見た目だけでは判断が難しい疾患(口腔がんを含む粘膜疾患)が疑われます。口腔がんは早期発見が予後を大きく左右します。「ずっとあるけど痛みがないから大丈夫」という判断は危険です。

鎮痛剤が全く効かない・夜中も続くズキズキとした自発痛

市販の鎮痛剤を服用しても痛みが軽減しない、横になっても続くズキズキとした拍動性の痛みがある場合は、根尖性歯周炎が急性化して膿瘍(膿のたまり)が形成されているサインのことがあります。こうしたケースでは膿の排出(切開・排膿)が必要になる場合があり、早急な歯科受診が求められます。

全身疾患のある方は特に注意

糖尿病・ステロイド薬服用中・免疫抑制剤使用中・血液疾患のある方などは、免疫機能が低下しているため、口腔内の感染が重篤化しやすい傾向があります。歯周炎は近年、糖尿病や肺炎など全身疾患のリスク因子として注目されています。[1]このような基礎疾患のある方は、歯茎の腫れを「たいしたことない」と判断せず、早めに受診することを強くお勧めします。

受診後の治療と、再発させないためのポイント

応急処置で急場をしのいだあとは、根本的な原因に向き合う治療が必要です。ここでは代表的な原因別の治療の流れと、当院での具体的な対応をご説明します。

歯周病への対応——スケーリングから定期メンテナンスまで

歯周病の治療は、まず検査を行って歯周病の進行度を調べ、次に歯みがき指導や歯石除去(スケーリング)により歯垢の除去を行います。重度の場合は検査や歯石除去を繰り返しますが、歯周ポケットが減少しない場合は歯周外科を行うことがあります。いずれの場合も治療後はメインテナンスを行い安定した状態が続くよう努めます。

当院では、歯肉の状態を確認しながら歯石除去・プラーク除去を丁寧に行っています。また、治療後の定期メンテナンスを非常に重要なものと考えています。山本院長は「原因に向き合い、再治療を繰り返さない治療計画と、治療後のメンテナンスによる健康維持」を診療理念として掲げており、一度落ち着いた歯茎の状態を長期的に維持するためのサポートを提供しています。

根管治療——根の中の感染を丁寧に取り除く

根尖性歯周炎の場合は、感染した歯髄(神経)と根管内の細菌を除去する「根管治療(感染根管治療)」が必要です。根管は細く複雑に入り組んでおり、肉眼での処置には限界があります。

当院では、マイクロスコープとニッケルチタンファイル(柔軟性の高い根管形成器具)を使用して精密な根管治療を行っています。自由診療の根管治療ではラバーダム防湿(=治療中に唾液が根管内に入り込まないようにするゴムのシート)を使用し、再感染のリスクを抑えることを重視しています。

また、セカンドオピニオンにも対応しており、「他院で根管治療を受けたが症状が続いている」という方についても、改めて状態を確認したうえで治療の選択肢を提示しています。

親知らずへの対応——抜く・残すの判断をしっかりと

親知らずは適正に生えないことが多く、抜くメリットとデメリットについて歯科医師と十分に相談されてから決断するべきです。当院でもまずはレントゲン・歯科用CTで親知らずの向きと周囲の骨・神経の状態を詳しく確認したうえで、抜歯が必要かどうかを判断します。繰り返し炎症を起こしている場合や、手前の歯に悪影響を与えている場合は抜歯をお勧めすることがありますが、正常に機能している親知らずを「親知らずだから」という理由だけで抜くことはしません。

まとめ

  • 歯茎の腫れと痛みの主な原因は、歯周病の急性増悪・根尖性歯周炎・智歯周囲炎・歯根破折の4つが多く、それぞれ腫れの場所・痛みの性質・伴う症状が異なります。正確な診断には歯科医院でのレントゲンやCT検査が不可欠です。
  • 今夜の応急処置は「翌日受診までの橋渡し」です。市販鎮痛剤の用量内服用・ぬるめのうがい・外側からの冷却は実施可能ですが、患部を針で刺す・温める・飲酒・自己流での抗菌薬服用はNGです。
  • 顔・首の腫れ・発熱・口が開かない・鎮痛剤が効かないズキズキとした自発痛があれば、夜間救急も含めた早急な受診を検討してください。2週間以上続く歯茎のただれや硬いしこりも、口腔がんの鑑別が必要です。
  • 歯周病の有病率は高く(令和4年歯科疾患実態調査で4mm以上の歯周ポケット保有者は全体の47.9%)、急性症状が一旦落ち着いても、根本治療・定期メンテナンスをしなければ再発・重症化するリスクがあります。
  • 当院(段原エール歯科・矯正歯科)では、マイクロスコープ・歯科用CT・電動麻酔・麻酔液ウォーマーなど痛みへの配慮をした環境で、原因の特定から治療・メンテナンスまでを一貫して提供しています。

広島市南区・段原エリアで急な歯茎の腫れや痛みにお困りの方は、段原エール歯科・矯正歯科へご相談ください。広島バス「段原中央」停から徒歩2分、広島電鉄「段原一丁目」電停から徒歩6分、駐車場5台完備。土曜日も診療しており、24時間WEB予約(082-207-1500)にも対応しています。初診費用の目安は保険診療(3割負担)で約3,000〜5,000円です。

はじめて受診される方は、初めての方へ(初診の流れ)もあわせてご覧ください。

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参考文献

[1] e-ヘルスネット(厚生労働省)「歯周疾患の有病状況」kennet.mhlw.go.jp

[2] 日本歯科医師会 テーマパーク8020「親知らず」「薬剤」jda.or.jp jda.or.jp

[3] 厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査」結果(概要)mhlw.go.jp

[4] 日本歯科医師会 テーマパーク8020「歯周病」jda.or.jp

[5] e-ヘルスネット(厚生労働省)「歯周炎」kennet.mhlw.go.jp

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段原エール歯科・矯正歯科は、一度の治療だけでなくその先の未来まで見据えた歯科医療を大切にしています。再治療を繰り返さないための「原因への対応」と、治療後の良い状態を長く保つ「メンテナンス」を診療の柱とし、地域の皆さまのお口の健康を末長くサポートいたします。

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